お彼岸の中日の今日は、「トラ」の命日です。
「トラ」は私が小学5年の時、兄と朝のマラソンの途中で拾ってきた猫で、11年間一緒に暮らしました。
(身体を鍛えるために父がやらせたマラソンでしたが、上手にサボる要領のよさだけが身に付きました)
今まで命日など意識することもなかったのですが、昨日から何故か「トラ」のことが思い出され、
トラのことをふと感じる一日でした。
トラが旅立って今年で27年、とてもそんな長い年月がたったとは思えません。
今でもその鳴き声、足音、毛並や肉球の感触、知らぬ間にそばにいる時の気配、日向の様な匂いを
想いだし、感じることができます。
トラは時々、私たち家族に食べさせようとネズミや、ヘビ、スズメなど食料を調達してくれました。
さすがに気持ちだけ有難く受け取るにとどめましたが・・・
そんなトラの野生や人に媚びない気高さ、猫といえど崇高さを感じるたたずまいに、私は敬意のようなものを
抱いていました。
トラと過ごした年月はかけがえのないものです。
言葉を持たないゆえに、人の心を深く感じ取ってくれていました。
家族の誰もがトラがいてくれるだけで慰められ、毎日が豊かなものになりました。
今でもトラは凛として私の心の中で生きていて、いつもそばにいる気がするのです。
時々あの頃のように「トラ!」と呼んでみたくなります。
きっと短い尻尾を左右にピョコピョコ振ってこたえてくれるはず・・・