私の好きなTV番組の一つに、NHKの「ファミリーヒストリー」があります。
毎回、お一人の著名な方の家族の歴史を紐解く番組です。
何代も前にさかのぼる入念な調査で、その時代背景と共に、その方の先祖がたどってきた歴史を、事実そのものの
ストーリーにして、ご本人に視聴してもらうというものです。
ほとんどの方は、「自分のルーツについてほとんど知らない」、「なので、楽しみです」とか
「どんなことがでてくるのか怖いです」とか最初におっしゃっています。
自分のルーツについて知る機会を、ほとんどの方はあまり持っていないようです。
そしてストーリーを見終わった後・・・。
例外なく深い感動に包まれておられるのです。
癒やしのベールに包まれているようにもみえます。
そしてこれからの自分を支えるような尊い力が、その方の中に湧き上がっているように感じられます。
画面を通してみているこちらにも、じんわりと温かいものが伝わってきます。
私も、自分の先祖が辿ってきた歴史にいつの頃からか、興味を覚えるようになりました。
子供の頃、大家族の中で育ったので(なんと私が生まれた時は13人家族) 主に祖母から、昔の家族の話を
聞く機会が時々ありました。
それらの断片的な自分の先祖にまつわるエピソードを子供ながらに興味を持って聞き、自分の引き出しの中に
一つ一つしまってきたように思います。
古い家だったので蔵の中で一人遊んでいる時に、わずか二十歳で亡くなった祖父の妹の書道の練習を
何枚も見つけて、その誠実な筆跡に見とれたこともあります。
話に聞いていたその人とつながり、身近に感じた一瞬でした。
そして年齢を重ねるごとに、自分のルーツや先祖のことを知りたいという気持ちは大きくなったように
思います。
それは何故か・・。
やはり自分が立っている土壌を知り、信頼することが、これからの自分に力を与えてくれるということを、
自分の核が知っている、そして求めているからだと思います。
アメリカの家族療法家、モニカ・マクゴールドリックさんがおっしゃった言葉です。
『 自分が何者か、過去がどんな意味を持つのか考えることは、困難を和らげる。過去の人々との
繋がりや喪失、愛を学んだ記憶。それらは神聖で、その後の人生をも支え続けてくれる 』