イチジクが届きました。
実家の畑でとれたものです。
実家のある「茂平」という小さな集落は、昔からイチジクの栽培がさかんでした。
雨が少なく温暖でそれはそれは美味しいイチジクがとれます。
今は高齢化で生産者の方も減っているようですが、それでも帰省してイチジク畑が広がる景色を目にすると、「あ
あ、茂平に帰ったな」と思います。
子供の頃、イチジクの季節になると、祖父母や母は、朝暗いうちから収穫、出荷作業に追われていました。
一つずつ丁寧に手で収穫、とってもとってもきりがない、朝収穫しても、夕方にはまた次々と熟れているのです。
肩にかけたカゴが次第に重みできりきりと食い込む、汗だくになりながら、畑を飛び回り、木に登り・・・
作業小屋に帰ると、休む間もなく、出荷作業が待っています。
私などは、たまに手伝ってもすぐ根を上げ、猫の手にもならなっかたように思います。
それは二か月近く続く重労働でした。
出荷の合間には、親戚の方、知り合いの方、多くの人が入れ替わり立ち代わり、イチジク狩りに来られました。
村の農業組合は出荷する生産者で溢れ、わが田舎が一番活気づく季節だったなと、懐かしく思い出します。
子供の頃は、そんなに好きでもなかったイチジクですが、故郷を離れた今、食べるイチジクは格別です。
まさに、慣れ親しんだ「茂平」の味
故郷の人々が忙しくリヤカーで出荷する姿、活気あふれる組合の様子、子供の頃の懐かしい情景が蘇ってきます
届いた日は偶然、亡くなった母の誕生日でした。
「暑いけど、ま、これでも食べて元気出して!!」
母の想いものせて届いたのかな・・・