トラに守られて

免許証を更新してきました。

 

もう30年間ハンドルを握っています。

一応優良ドライバーですが、ちっとも運転がうまくなりません。

いまだにのろまな動きをして、周囲のドライバーに迷惑をかけることがあります。

それでも今まで事故なく無事にやってこれたのは、「トラ」のおかげと思っています。

 

「トラ」というのは、私が小5から22歳まで飼っていた猫。

 

私が車の免許をとり、初めて自分で車を運転した日に交通事故で亡くなりました。

自宅からほんの近くまで、そろそろと車を走らせて戻ってくると、自宅前ではねられているトラを見つけたのです。

即死だったようです。

抱きかかえて家に帰り、泣きながらタオルでトラの体をふき、家族が戻るまでにきれいにしました。

とても死んでいるようには見えなくて、横たわって昼寝をしているかのような姿でした。

 

母は「トラが自分の命と引き換えに、今後あなたを事故から守ってくれようとしている」という風なことを言いました。

私も本当にそう感じました。

悲しくて愛しくてなんとも言えなかったトラの最後。

 

捨て猫だったトラ。

トラが恩返しをしてくれたと考えるのは、あまりに単純で勝手ですが、突然逝ってしまったトラとの変わらないつながりをみつけたい気持があったのだと思います。

 

こんなに運転の下手な私が、30年事故なく無事に運転を続けてこれたのは、トラが守ってくれているから。

だから、ハンドルを握るときは初心を忘れず・・。

時々つい乱暴な運転になったときなど、トラを思い、反省するのです。

 

DSC_0212

トラの写真を入れている免許証入れ。

30年使い続けています。