寒いです・・・
連日ほんとに寒い。
「うー さむっ」何度もつぶやくひとり言。
コートの襟をかき合わせ、冷たい風から身をまもりながら思い出すのは、幼い頃に絵本で読んだ「北風と太陽」のお話。
確かイソップ童話でしたね。
北風と太陽が自分の方が強い、とお互いに譲りません。
それではあの旅人の上着を脱がせることができたほうが勝ちだ、という話になり勝負します。
まず北風。
ビュービューと力任せの強風で、旅人の上着を吹き飛ばそうとしますが、旅人は「おお寒い」とばかりに、いよいよ上着をしっかり押さえます。
次に太陽。
あたたかな光をさんさんと旅人に降り注ぎ続けた結果、まもなく旅人は「こりゃ暑い」と自分で上着を脱ぎます。
教訓めいたお話ではあるけれど、私はなかなか好きなお話です。
もし北風が上着を吹き飛ばすことができたとしても、旅人は「なんでこんな目に合うんだ」と納得しないでしょう。
でも太陽の暖かさによって、上着を脱いだ旅人は、自分の意志だから納得しています。
「上着を脱がせる」と「自分で上着を脱ぐ」は結果は同じでも、まったく本人の気持ちが違います。
「自分で上着を脱ぐ」ということは、相手に心を開くことを象徴しているようにも思えます。
テクニックではなく、自分も心を開いていてこそ、本物の太陽になれるのでしょうね。
そしてここぞという瞬間には、北風にもならなければ。
北風要素の少ない私はそう思います。
帰り道、いつも出迎えてくれる野良猫