京都の一日

晩秋の一日を京都で遊んできました。

 

アラフィフ女子3人、行き当たりばったりの一日。

京都駅のバスターミナルで、「うーん、どこ行くう~?」と悩む無計画ぶりです。

 

「じゃ、まずは金閣寺でも・・」と、一人がなんとなく発案。

「そだね、そだね」

「じゃ、つぎは金閣寺に近い、龍安寺の石庭だー」

「うん、うん、それがいい!」

 

3分後には金閣寺方面行のバスに乗っていました。

金閣寺の不動堂には、家内安全だの交通安全だの、学業成就だのと記された願掛けのろうそくをおいてあり、一本50円で求め、火を灯してお供えすることができます。

友人二人は迷わず「ストレス封じ」と黒々と書かれたろうそくを選び、私は一番オールマイティっぽい「心願成就」を選んで、手を合わせたのでした。

 

金閣寺から、きぬかけの路をのんびり歩き、龍安寺へ。

石庭を眺めて、しばし心の静かさを感じるひと時・・

 

お昼は龍安寺境内にある西源院で「湯豆腐付き精進料理」を頂きました。

お堀のあるお庭を眺めながらのお食事に期待が高まります。

そして運ばれてきた温かい湯豆腐!今日のような冷える日にありがたや~

ところが、この湯豆腐がどんどん冷めていく・・・

炭で温める鉢の上に鍋をセットされたにもかかわらず、なぜか火をつけてもらえない。

開け放ったお座敷には容赦なく寒風が吹きこみ、湯豆腐はどんどん冷めていく、外気にさらされた身体もどんどん冷えていく。

互いに励まし、手をこすり合わせながらのランチタイムとなったのでした。

ま、お寺ですからね、お食事も「修行」だったのかもしれませんね。

 

さてさて、次はどこにしましょう。

とりあえず京都駅方面行のバスに乗り、良さそうなところがあれば途中下車しようということに。

四条河原町で下車しました。

バスに乗り換えて祇園あたりに行こうかとも思ったのですが、ちょっとゆっくりコーヒーもいいね、となりました。

高島屋に入って、各階をめぐって良さそうなカフェ探し。

これがなかなか見つからず、高島屋の中をカフェ難民になって20~30分うろうろ。

こんなたわいのないこともなぜか楽しい!!

6店目くらいにやっといい感じのお店を見つけることができました。

暮れ行く外の景色を眺め、語りながら、ゆっくりコーヒーを飲む幸せなひと時。

 

京都駅に戻った時にはすっかり日が落ちていました。

 

満月の下に幻想的な雲、月に帰っていく「かぐや姫」が乗っているかのようです。

夜8時過ぎ、私たちも新幹線に乗り、それぞれの家に帰っていったのでした。

 

 

 

 

映画を二本

映画を二本、映画館をはしごしてみてきました。

「日日是好日」と「ハナレイベイ」

 

「日日・・」は友人に薦められました。

「絶対あなたに合っている、理屈じゃなく感じる映画だから」と。

なるほど・・みているこちらも場面を体感する仕掛けもありました。

 

一人のの女性が大学時代に茶道に出会い、日常のあれこれと合わせて、人生を深めていく日々が描かれています。

思考を離れ、今この時をただ感じていること、この瞬間に自分のすべてでコミットしていることの大切さを語りかけてくる作品でした。

なのに鑑賞中、つい思考につかまって肝心なセリフを聞き逃した私、頭が別のところに瞬間移動してしまったのですね。

まだまだです。

 

 

「ハナレイベイ」は、映画化されたと知って、とてもみたかった映画。

原作は村上春樹さんの「東京奇譚集」という短篇集の中の一つで、サーファーの息子がハワイでサメに襲われ亡くなる、その母が息子の死に向き合っていく姿を描いた小説。

その短編集の中でも、特に印象に残っていたものでした。

 

原作は、感情の描写がほとんどなく、行動、出来事がたんたんと描写されていく中で、読み手の感性にゆだねられている結果、深く味わえる小説ではないかと思います。

映画は人が演じる分、原作の乾いた感じよりも、少々ウエットな感がありました。

主演の吉田羊さんをはじめ、キャスティングが良く、映画は映画で楽しめました。

 

 

映画は一人で行くのが好きです。

自分のペースでみれる。

 

あまりピンと来ない映画だったな~・・ってこともありますが、それはそれで。

いつもいつも感動やら、自分に役立ったとか求めると、ちょっと不自由ですよね。

「今日はこれをみた」だけでいい。

でも話題が出たときに、「私もみたー」と言えるのはいいかな。