「ミトコンドリアからたどる自分のルーツ」というカルチャーセンターの講座に参加しました。
わが祖先は数万年前どこで誕生したのか、どんな系統なのか・・
そんなことに興味があります。
そんな折、目に留まったこの講座。
口腔内の粘膜細胞を採取し、遺伝子タイプを調べ、自分のルーツをたどることができるというのです。
これは参加するしかない!
ミトコンドリアDNAは母系遺伝なので、母親から代々受け継ぐ遺伝子。
母、母の母(祖母)、同じ母を持つ兄弟、自分の子供は同じミトコンドリアの遺伝子配列を持つというわけです。
今回は父親由来の遺伝子は関係ないので、あくまで自分の遺伝子情報の一面がわかるということなのだと思います。
2回の講座の一回目は、細胞、遺伝子など生物基礎の最新知識を学びます。
かつて高校の頃学んだ生物とは隔世の感、生物学は進歩しています。
そしてメインの粘膜細胞採取をして一回目は終了。
結果が楽しみです。
1か月後の2回目。
この日は人類の進化、日本の人類学などをさくっと学び、いよいよ自分の遺伝子タイプの結果発表。
ジャーン!!
私のタイプは「ハプログループC」系統でした。
日本人の0.5%にも満たないとても珍しいタイプだそうです(なんかうれしい・・)
[注:ハプログループとは祖先の系統のことで、日本人は大きく11タイプのハプログループに分類されている。このグループごとに、どこで誕生したか、どのような経路で移動したか、どのような身体的特徴を持っているかなどが推測できる]
「ハプログループC」は約3万年前、中央アジアからロシアのバイカル湖あたりで誕生し、中央アジアからアメリカ大陸まで広がったグループ。
モンゴル遊牧民や、アメリカ先住民などにもこのタイプが多いようです。
私がアラスカやカナダのの先住民に心ひかれるのは、もしかして共通の祖先を持っていたということなのかも知れません。
早速、同じミトコンドリア遺伝子配列を持つであろう兄にも結果を伝えました。
「やっぱり北方系だったかー」と感慨深そう。
以前から兄は、母方の祖母一族のエキゾチックな顔の特徴から、北方系でロシアあたりに由来するのではないかと言っていたのです。
同じハプログループの仲間が、ある集団は中央アジアに広がり、ある集団はベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸で先住民となり、少数ながら日本に渡って生きてきたわが祖先がいる。
今の瞬間も、それぞれの場所で日々の営みを続けているのです。
時空を超え、この小さな現実を超え、広がるような感覚、力強さも覚えます。
考えてみれば、ミトコンドリアも神秘そのもの。
ミトコンドリアはかつては独立した別の生き物だったそうです。それがあるとき人の細胞の中に入り込み、それ以来共存して今に至っている。
これもすごいことです。別の生き物が自分の中に棲み、遺伝をつかさどっているなんて。
すべての人は、太古の昔からの奇跡が重なって、今日を生きているのですね。
神秘です。
すごいとしか言いようがない。