かぎ針編みのざぶとんを編んでいる。
かぎ針編みの初挑戦は、小学校の時に編んだマフラー。
オレンジ色の毛糸を買ってもらい、母の手ほどきで編み始めた。
最初は編み目もそろわず、編んではほどき、編んではほどきのくり返し……
それでもだんだん上手になり、なんとか首に巻いて登校できるレベルのマフラーが出来上がった。
自分で作ったものを身に着けて出かけるという最初の体験だったかもしれない。
中学生になると、家庭科の冬休みの宿題にあみぐるみの猫を3匹作ったなあ(途中で飽きて仕上げは母にまかせたが…)
その後は棒針編みのセーターなどはりきって編んでみたが、それもすぐに熱が冷めたので、編み物は自信がないまま今にいたっている。
今年なぜか、何十年かぶりに編み物ががしたくなった。
ちょうど愛用のオフィスチェアに、温かい敷物が欲しいと思っていたことも背中を押した。
そうだ、チェア用の座布団を編もう!
座布団ならやっぱり昔なつかしいかぎ針編みがいい!
小学生の頃、級友たちの椅子には、色とりどりのお母さん手作りのかぎ針編みの座布団が敷かれていた。
私の椅子にも、朱色とクリーム色2色で編まれたモチーフの座布団。
早速、手芸店で「かぎ針編みの毎日ざぶとん」という本と毛糸を4玉買ってくる。
本にはいくらでも素敵な作品があふれているが、私の手に負えそうなものは残念ながらそう多くない。
しばらく悩んで、一重仕立ての花モチーフの座布団を編むことにした。
長年のブランクがあるので、巻末の網み目記号とその編み方を見ながらしばらく練習してから本番に取りかかる。
そして今日もぼちぼちと編み進めている。
気の早いことに未完成のまま、すでに使っている。
編んでは敷き、また少し編んでは敷き… 完成品に座る日も近い。
それにしてもなんでこの色合わせにしたんだろう(._.)
(他のものとの調和は…などと考えすぎてしまって、わけがわかんなくなってしまった)
無心にかぎ針を動かす時間はなかなかいい。
編み目を数えながらなので、TVを見ながらというわけにもいかず、音楽を聴く。
昭和のポップスがとてもピッタリする(ユーミンとか大瀧詠一とか……)
あの頃の空気感に包まれ、ノスタルジックな気持ちを味わう。
だいたいはほろ苦い日々だったけど、それも今となってはちょっと愛しい。