絵本の紹介 「まぬけのイワン」

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ぶん  マクシム・ゴーリキー

え   ズデネック・ミレル

やく  きむら ゆうこ 

 

文もさることながら、挿絵がいい。

いきいきとと輝いていて物語の世界に誘ってくれます。

草花、ネコ、クマ、木、芋虫、かたつむり、ひとつひとつがなんとも愛らしくて、色彩がきれい。

こんな絵を部屋に飾りたい・・、こんなプリントの洋服を着てみたい!!

 

さてお話はというと・・。

イワンという間抜けな若者がだれも思いつかないような、ばかばかしいことばかり引き起こします。

けれど本人はいたって真面目、誠実でいつも真剣。

なんの偏見も価値観も持たずに生きているので、人々が恐れるクマともたちまち親しくなるのです。

最初、人間とみて警戒したクマでしたが、イワンのいいことも悪いこともそのまんまの態度にすっかり

心を許すのです。

本当に純粋なものには、みんな心を開くのですね・・。

そして手助けしたくなるようです。

 

クマのおとうさんとイワンの会話はなかなか哲学的。

作者の想いがにじみ出ています。

 

最後のページ、ゆうかんなおんどり「オドロカン」が、クマの前にたちはだかって叫ぶエンディング、

なんともまぬけです。

「コケコッコー、コケコッコー!おまえをかわに、なげこむコッコー!!」

私、こんなおんどりの「オドロカン」になっていなければいいのですが・・・

 

時々ひろげたくなる絵本です。

 

2015年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : naomi-room