市内で開催中の妖怪展に行ってみた。
最先端の映像技術を駆使した空間に「没入する」ことができる、体験型デジタルアートミュージアムだという。
個人的には、妖怪本来の魅力や世界観をあまり味わえなかったのが残念だった。
その世界にわざわざ「没入するために行く」ものではなかったのかな…
普段の生活のふとした瞬間に、妖怪との接点はある。
築200年の実家には、いたるところに魑魅魍魎が潜んでいる気配があり、子供の想像力の源だった。
母屋から通じる蔵の入り口の暗がりに、何者かが佇んでいる気配。
天井裏の格子窓から、ふわりふわりと煙のように漏れでている何か。
一人でいるとき、誰かにじいっーと見られている感覚。
そういえば床柱あたりで「バキッ、カーン」と木がさけるようなすさまじい謎の音が響いたこともあった。
昨日、アニメ「ちびまる子ちゃん」で、「妖怪 まくら返し現る」っていうのをやっていた。
「妖怪 まくら返し」 子供のときリアルに体験したのを、思いだした。
4~5歳のころではなかったかと思う。
ある日離れの一室で、父と一緒の敷布団で昼寝をしていた。
いつものように南に頭を向けて寝た。
ところが昼寝から目覚めると、二人そろってくるっと180度回転し、北に頭を向けていたのである。
二人の寝相の悪さが、まったく一致して一緒に回転したのか、はたまた妖怪の仕業かいまだに謎だ。
その不思議体験を共にした父も、今年が初盆だった。
お盆の送り火の日に夢をみた。
おびただしい先祖の人たちが、列をなして実家の坂を下りてくる夢。
坂の下で待っていた私は、その中に母の姿をみつけ、手をとって列に加わる。
列のなかに父はいない。
そのとき「ガタン」と音がしたかと思うと、石垣のくぼみから、ぬうっと父が出てきた。
まるで妖怪のように…
既存の枠からはみ出すことの多かった、父らしい登場の仕方である。
気がつくと、先祖の方々も父も消えていた。
母だけが一瞬子ネコになったが、その子ネコもすぐ消えた。
私は一人で家の下の道に立っていた。
お盆の滞在を終えた先祖の方々を送る夢だったのかな。
夢から覚めて思った。
何気ない毎日のなかに、妖怪も古人も出入りしている。
その存在やメッセージに、ちゃんと気づいていたい。
妖怪「猫又」ではなさそう……
