東山動物園のツシマヤマネコです。
「ツシマヤマネコに会いたい!」と、かつて対馬にまで足を延ばしたヤマネコ好きの私、ネコ舎は外せません。
野生動物の多くは、自分の縄張りをつくって安全を確保しますが、人にも心理的な「縄張り空間」が
あるとされています。
「パーソナルスペース」と呼ばれます。
人もまた、最小限自分にとって必要な空間を保とうとする本能があるため、知らない人に近寄られすぎると
抵抗を感じるのです。
パーソナルスペースは一般的に、身体の正面に対して広く、横や後ろには狭くなる楕円形をしています。
満員電車などで正面で他人と接近しているよりも、背中合わせや横並びのほうが、まだ落ち着く感じがしませんか。
また混雑したエレベーターの中で、ほとんどの人がなんとなく上を向いている光景もよく目にしますよね。
これも、自分のパーソナルスペースに踏み込まれて居心地の悪さを感じているから、とも言われます。
このパーソナルスペースの範囲は人それぞれ・・。相手によっても変わってきます。
家族、親しい人、知人、全くの他人。
向き合って座るという同じシチュエーションであっても、相手により、この人とはこれくらいの距離が
一番落ち着くな・・というものがあると思います。
普段私たちはいろいろな場面で、無意識のうちにお互いのパーソナルスペースを計りあって接しているのかも
知れません。
「少し遠いですね・・もう少し椅子を近づけて話しましょうか・・」なんて言いながら。
何か目的を持って人と接する時、距離と位置関係には十分配慮が必要です。
相手を説得したい時には、正面よりも、横か90°の位置に座ったほうが効果的。
協力や同盟を結びやすい位置関係です。クリスマスプレゼントのおねだりにはぜひ意識してみて!
相手に警戒されにくく、有利です。
相手の申し出をはっきり断わりたい時は、正面に座った方が有利。
直面、衝突、上下関係を生みやすい位置関係です。
毅然とした態度で堂々と!
相手の方のパーソナルスペースに配慮することは、その方を尊重する態度でもあり、居心地良くあって欲しい
という気遣いにも通じます。
パーソナルスペースは、もちろんカウンセリングでも大切に考えられています。
クライエントさんとカウンセラーの位置関係、距離がカウンセリングを大きく左右することもあるのです。