いつかやらねば、と思っていた余り布の整理。
やっとできた。
洋裁が趣味なので、いつの間にか余り布がたまっていきます。
それぞれの布は物語を持っていて、簡単に処分できない。
娘のピアノ発表会に作ったドレス、縫っている時の肌触りの良さは指先が覚えている。
伯母からときおり譲られた生地、その上等な風合いに心躍らせた。
ほんの小さな切れ端も思い入れのあるものはなかなか手放せません。
いつか小物づくりに使うかも…
子供が工作で使うかも…(もうそんな年ではなくなった)
年取ってパッチワークにはまるかも…(正確を要することにはもとより向いていない…)
いくつかの、かも、かもとその布にまつわる思い出により、なかなか処分できない。
いつの間にか、たまっていた余り布たち。
二つのダンボールに適当につめこんで、押し入れの奥に放置状態。
いざ何か作ろうと思っても、押し入れの奥から引き出すのもおっくうで、あまり活用の機会がなかった。
もっとさっと取り出せて、中身も整理されていれば……
先日やっとその気になってやってみれば、1時間ほどで整理できたではないですか。
大きい布でも、惹かれないものはリサイクルの袋へ。
リサイクルする大きさに満たなくて、思い入れもないものは思い切って処分用の袋へ。
ほんの小さな端切れでも、心惹かれるものは小さくたたんで小箱に詰める。
あとはレース地や裏地、夏用、冬用などざっくりと分けて、空いていたピンクの衣装ケースに納めていきました。
今まで使い道がないと思っていた布でも、これはマスクにするとおしゃれだ!と思いついたりして、今年ならではの発見もありました。
新しい場所におさまった布たちは、息を吹き返したようにいきいきしていて、色とりどりにその個性を放っている。
みていると幸せな気持ちになりました。
思えば幼い頃も、布が遊び相手でした。
洋裁をする叔母たちがためた余り布の山を、押し入れから出して眺めたり、許可が出ればもらうこともできた。
みようみまねで布をつなぎあわせたネックレスなど作って、何時間も一人で遊ぶ子供だったみたいです。
布と戯れるのが好きなのに、なんでそっちの仕事につかなかったのどろう?と時々思うことがありますが、それもまた人生の面白いところですね。
布の個性を引き出しながら作品にしていく過程、本来のその方らしさを見出していくカウンセリング、通じるものがあります。