「ゴッホ展 響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」の最終日に行ってきました。
収集家ヘレーネと、画家ゴッホの関係を、「響きあう魂」と記したところが秀逸です。
ゴッホの絵の前に立つとき、その作品が放つエネルギーにしばしば圧倒されます。
130年の時を超え、ゴッホとつながるような気がする。
その純粋さ素直さ、あふれ出る感情に心ががうたれます。
響き合うのです。
ゴッホの目を通して、私もこの世界や自然をみている感覚になる。
木々も、叢も、大地も光も、風も、すべてがうねり、燃え立っている。
まるで絵が動いているかのよう。
ゴッホはその素直な感性で、森羅万象と響き合っていたように思えるのです。
年代を追って作品をみていくと、晩年に至るにつれてその傾向は強く、ゴッホの内面がほとばしるように作品に現れているのを感じます。
帰り際、ミュージアムショップをのぞくと、「アルゴグラフ」という立体複製画のコーナーがありました。
ちょっと迷ったけど、小さなサイズの一つを買いました。
パンフレットによると、ヘレーネはこの作品について、助手に次のような手紙を送っています。
「ファン・ゴッホが描いたレモンを理解しようとするとき、私は頭の中で数個のレモンをその隣に置いてみます。そうすると、この絵が現実とどれほど異なっているかを感じるのです。」
この複製画を見た家族も言いました。
「これは大量の玉ねぎ?」
そう言われてみれば、玉ねぎにも見える。
まあ、何にみえてもいい。
淡いイエローのテーブル、淡いグリーンの背景のやさしさ。
リズミカルにころころと転がっているレモンたち。
なんかいいのです。
この絵の前にたたずむと、ちょっと幸せな気分になるよ。