介護施設に入所している父が腹痛を訴え、それが急を要するものだったので、大病院に緊急搬送されて手術を受けました。
先週、術後の父を見舞うため、名古屋から岡山、日帰り予定で急きょ帰省したのでした。
病院に着くと、看護師さんが、開口一番「昨日から調子が悪いんですよ」
ぐったりとベッドに横になっている父、食べてももどしてしまうということで、絶飲食。
一瞬目を開けても、すぐにこんこんと眠ってしまう。
こんな父を残して、日帰りで帰るには忍びないなあと思っていたら、翌日の用事の調整がつき、急きょ実家に一泊して次の日も見舞うこととしました。
翌日にはかなり持ち直し、レントゲンの結果も良好、歩行器でそろそろと歩くほどの回復ぶりで、少し安心して岡山を後にしたのでした。
そして昨日、兄から電話がかかり、無事退院して地元の病院に移ったと報告がありました。
兄の声は疲れの中にも、安堵感。
ちょっと驚いたのは、父が兄に手を握ってくれ、と頼み、兄がそれに応えたことを話してくれたことでした。
「ほんま、わがままな弱いヤツや、しょうがないから、布団の上から握ってやったわ」(やれやれと言った感じで)
あの距離のある二人の間に、こんな一瞬があるとは。
人が回復する力を助けるものは何だろう・・と思います。
薬や治療だけではないはず。
父は、看護師さんがケアなどで病室にきてくださると、「ああ、よう来てくださった」と本当に嬉しそうに言いました。
話しかけてもらえる、注意を払ってもらえる、人の存在がとても力になったのではと思います。
私も二日間でしたが、父の望むまま車いすで病院の廊下を連れ回り、身体をさすり、手を握り(私にもたびたび手を握ってくれと頼んだ)父の訴えに耳を傾けました。
兄も休みの日は、病院に顔を出してくれたようです。
(父は認知症が進むにつれ、とても兄を求めるようになり、息子はいつ来る?と看護師さんに聞くばかりして困らせたらしい)
そして待ちわびた兄の顔をみて、ありえないことに手まで握ってもらったたこと・・・
私はちょっと嬉しい。
これからも大変だろうけど、とりあえず今日は感謝。