お寺のお庭にちょっとはまってます。
喧騒を離れ、こころ静かに過ごせるところ。
お座敷に座り、お庭をぼおっと眺める時間がいい。
京都の詩仙堂と圓光寺を訪ねました。
うだるような暑さの中、坂を上って、やれやれとたどり着いた此処は別天地。
お座敷でくつろいでいると、ひんやりと気持ちよい風が吹き抜けていく。
鹿威しの、胸をすくようなカーンという音。
木々がさわさわとゆれ、トンボやハナバチが思いのまま飛びまわっている。
自分は動かずして、動いているものを眺めるのは良いものですな……
雲海の天空を自在に奔る龍を石組みで表しているそうです。
確かに龍だ……
いつか銀の龍の背に乗ってみたい。
これまた長居をしたくなるお庭。
緑は濃く、鯉が泳ぐ池泉からカエルの声、頭上からは鳥の声。
庭の中央あたりに横たわる大きな石が存在感を放っている。
「ねえねえ、あの石、牛みたい」
「ほんとだ、牛みたい!」
娘と無邪気に話していた。
帰宅後パンフレットをみていたら、「十牛図」を題材にした庭園だとわかった。
あの石は、やはり牛を表していたのです。
以下パンフレットから引用。
「十牛図」に描かれた牛は、人間が生まれながらに持っている仏心をあらわしています。牧童が禅の悟りにいたるまでの道程であり、賢命に探し求めていた悟りは自らの中にあったという物語です。
そういえば、河合隼雄さんの「ユング心理学と仏教」という本で「十牛図」を目にしたことがありました。
ピンときていれば、あのような間抜けな会話を披露することも無かったろうに……
あの場に居合わせた人々に失笑されたかも (;^ω^)
まあ、旅の恥はかき捨てということで。