初めて京都国立博物館に行きました。
GWの最終日、京都に行ったものの結構な雨ふりで、あちこち行くのも億劫。
そうだ、今日こそ国立博物館へ…
以前から行きたいと思いながら、機会を得られないでいましたので。
早速、開催中の展示を調べてみた。
「親鸞聖人生誕850年特別展 親鸞─生涯と名宝」という特別展をやっているらしい。
うーむ、親鸞か……(正直なところ、ちょっとテンション下がる)
親鸞さんのことはよく知らない。
確か「念仏を唱えるだけで誰もが極楽へ行くことができる」と説いた人だっけ。
迷ったが、これも今日のご縁と思い、行ってみることにした(一日雨だし…)
思いのほか、心に落ちるものがあった。
「ただ念仏を唱えるだけで誰もが浄土へいくことができる」
この言葉の真意に出会うこともでき、目からうろこの思い。
膨大な展示からみえてくる、親鸞さんの誠実さ、一途さ、あくなき探求心に打たれた。
生涯「自分のなかに真実はない」ということを手放さなかった人。
ほんとうの謙虚を理解し、体現した人生だったのではと思う。
なかでも印象に残ったエピソードがあります。
親鸞は関東で教えを広めた後、京都に戻る。
自分が去った後の関東で、自らの考えとは異なる教えが広まり始めたのを知った親鸞は、それを収めるために息子の善鸞を送る。
ところが善鸞は、さらに異なる教えを広めて混乱を招いた。
それを知った親鸞は、なんと親子の縁を切るのです。
道を説く者のなんという厳しさ、誠実さ。
晩年のかなりの境地にあったであろうに(80代半ばの頃のこと)このような家族の問題に直面するリアルさ。
今も家族のあれこれって、多くの人にとって悩みの上位にあるように思うのですが……
親鸞自身が、俗人としての悩み苦しみと無縁ではなく、それを正面から引き受けた人でもあったのだと思う。
人間としての親鸞さんに、親しみを覚えます。