故郷のイチジク

生まれ故郷、岡山のイチジクです。

毎年お盆明けくらいから、本格的な収穫が始まる。

今年はお盆明けの週末に帰省したので、ちょうど出始めの立派なイチジクにお目にかかれた。

30年前くらい前は、4か所の広い畑に何十本ものイチジクの木があった。

8月半ばから10月初めまでの収穫時期は、祖父母と母を中心に、親戚の人手も借りて、出荷作業にに大忙し。

私も気が向けば手伝ったが、猛暑の作業はなかなか大変だった。

 

「冷蔵庫にイチジクを冷やしてあげとるよ」

その当時、学校から帰った私に母がきまって声をかけるので、付き合いで一個食べる。

兄にいたっては見向きもしない。

家にふんだんにありすぎると全然ありがたみがないんですよね。

 

ここ愛知県もイチジクの産地。

20数年前、愛知に引っ越しして初めての秋、県内産のイチジクをスーパーで買ってみた。

一口食べて、言葉が出ないほどの驚愕……

味、風味、食感、すべてがまるで違う。

故郷のイチジクの株が、私の中で爆あがりした瞬間だった。

岡山の産地で作られていたのは、主に「蓬莱柿」という品種。

地元で「トウガキ」と呼ばれるこの品種こそが、私にとってイチジクなのだと悟った。

 

今となっては実家の三本の古木を、兄がかろうじて面倒をみている。

シーズンにクール便で送ってくれるイチジクを、家族も心待ちにしている。

かつて見向きもしなかったイチジク、こんなに貴重に思う日がこようとは……

どうか今年も送ってくださいまし…=^・^=(スリスリ)

 

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