「君たちはどう生きるか」をみた

映画「君たちはどう生きるか」をみてきました。

なんの先入観も持たず出かけたのですが、想像を超えてました。

人が生きていくうえで、ファンタジーの果たす役割にとても共感しました。

 

主人公の少年は、突然に、しかもやりきれない形で、最愛の母を失う。

現実の弔いの儀式は済んだとしても、心は置きざりにされたまま。

やがて母のルーツである旧い家に引っ越したときから、めくるめく展開が起こるのです。

少年は異世界につながることによって、母との真の別れと新たなつながり、心の再生をとげていく。

自然、場の力、過去の営み、先祖の気配、というような異世界の者たちが少年の冒険を導く。

少年が傷ついた心を癒し、再生のプロセスをやり抜くには、目に見える世界だけでなく、あらゆる境界を超えていかなければならないのだと思う。

ファンタジーは、ただファンタジーではなく、現実を超えてくる。

 

ストーリーを理解しようとすると、難しくわかりにくい作品です。

頭の回転がゆっくりで、しかもさっきのこともたちまち忘れる私など、とてもついていけない。

それはそれで良いと思えた映画です。

わからないことも含めてこの作品のメッセージではないかと。

今いるこの世界も簡単にわかるものでない、自分の手に負えるようなものではないことと重なる。

 

宮崎駿監督が今、社会にこの作品を放ったことを受けとめたいと思う。

善と悪、敵と味方、生者と死者、人と生物、過去と現在、そういう分け方をしない壁のない世界。

あらゆるものを包含する混沌の中からこそ、人はきっと生きる力を生み出すことができる。

 

無限に何やかんやちりばめられている作品です。

宝探しをするように、またこの作品をみたい。

 

そうそう、映像もメチャきれいです!

 

 

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