時を経た旅

友人と京都で落ち合い、一泊の旅をした。

彼女は高校時代の友人で、二十歳頃だったか一緒に京都に行った思い出がある。

将来がまだまだ未知で、みずみずしい期待に溢れていたあの頃……

あれから40年近く時を経て、再び実現した京都への二人旅だった。

 

観光地を巡りながら話していると、あとからあとから若かりし旅の思い出がよみがえる。

新幹線のトイレでスカートが裂けて、京都に着いてすぐ、駅地下でスカートを買ったわ。

かさぎ屋でおはぎ食べたね、ちょうどTVのロケをしていて、「コント山口君と竹田君」と一緒に写真撮ってもらった。

かんざし買ったね、ちょっと塗りが剥げてたから迷ってたら、お店のおばちゃん、なんとマジックでサッと塗って売りつけたんだよ!

あぶり餅食べたね、宇治平等院の近くで。

へ? 宇治平等院なんて行ったっけ…

写真があるから間違いなく行ってるって!

上賀茂神社か下賀茂神社に行ったけど、あれはどっちだった?

それそれ、私もどっちかわからなくなってるー

エピソードはつきず、二人の記憶はどこまでも怪しいのだった。

 

そして今の京都は人、人、人…

大人になった今、すさまじい人ごみは億劫になっている。

時間、ルートを工夫して、うまく人の密をさけた。(大人旅は体力を温存しながらまわらないとね…)

 

京都に着いて真っ先に行ったのは東福寺(二人とも一番行きたかったところがたまたま一致した)

いつか見たいと思っていた「八相の庭」と呼ばれる4つの庭を堪能した。

 

北野天満宮は迫力の美しさ、着物姿の方も多くて、初詣のようなりんとした空気を味わった。

このあと晴明神社に行ってパワーチャージ、晴明さんになれる顔出しパネルがあった。

「写真とってあげるー」と友人に促され、喜んで顔を出す。

交代して彼女を撮ろうとしたら「私はいいわ」だって…(昔からこういうところあったよ…(-_-メ)

 

夜食にタルトタタンを買ってきて、ホテルでお茶する。

めちゃ美味しい!!(後で調べたら、ラ・バチュールという老舗の、本場フランスも認める本格的なものだった♡)

 

翌日は前回も一緒に行った大原、あのときは雪深い真冬の大原だった。

今回は晩秋の大原、落ち葉を踏みしめながら歩くと、冴え冴えとした空気が身体に染みわたり浄化されるよう。

大原三千院と宝泉院でゆっくり過ごした。

 

話が出てから、3年目にやっと実現した旅。

身内の不幸や親の介護など、どちらかの都合が悪くなるくり返しで、ホテルをとったもののキャンセルしたこともあった。

そのうちにと思ってたら、なかなかその時は来ない。

 

いつ行くか? 今でしょ! (某、有名予備校のキャッチコピーに習って)

思い立ったら「今」を楽しまなければ……

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です