オリーブに幼虫

10日ほど前、オリーブの木の下に虫のフンが散らばっているのに気づいた。

駐車場のセメント床が真っ黒になるほど多量に……

虫の殺生は避けたいが、駐車場のある南面だけでも対策しておこうと、スプレー式の害虫予防剤を手に木をみあげた。

すると大きな緑の芋虫が2匹、枝にぶら下がって葉をムシャムシャ。

むむ、おみゃあだったのか……

7月末に東京に行った折にもお目にかかったな。

品川プリンスの側道、灼熱のアスファルトの上に、緑色の大きな芋虫が「木からうっかり落ちてしまったんです」という体で転がっていた。

つついてみたけれど、反応がない。

このままでは高音のアスファルトで身を焼かれ、そううち人に踏みつぶされてしまうだろう。

もう助からないにしても、せめて涼しい木陰で静かに最期を迎えさせてやりたい。

近くの植え込みの低木の陰に葉っぱを敷いて、まだ生の名残りをとどめたムクムクとした体を寝かせる。

ペットボトルの水を少量垂らして葉っぱをしめらせた(末期の水になったのかも知れない)

元気になるよう一縷の望みをかけ、その場を去ったのだった。

 

家のオリーブに予防剤を振りまくのはやめた。

フンは毎日掃けばよいではないか。

ネットで調べると、スズメガの幼虫らしい(そういえば、毎年スズメガの成虫が壁にとまっているのを目にする)

日々、幼虫の様子を見るのが楽しみになっていた。

 

ところがある日、二匹の幼虫は忽然と姿を消した。

無事、地面にもぐってさなぎになったのだろうか。

それとも、天敵に見つかって捕食されたのだろうか。

 

心配していたが、今日再び一匹を発見!

しかし……

これはどういうことだろう。

木にはしっかりぶら下がっているが、茶色になって動きがない。

このまま、さなぎになろうとしているのだろうか(本来は地面にもぐってさなぎになるらしいのだが……)

それとも、この過酷な暑さに力尽きたのだろうか。

心配である……

 

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