昨年11/23のブログ「球根を植える」の続編です。
前回、岡山の叔母が送ってくれたスイセン、チューリップ、グラジオラスの球根を植えたことを記していました。
あれから3か月、ほらほら、スイセンが今ちょうど花ざかりです。
このスイセンは、もともと実家(岡山県笠岡市)の山の畑で栽培していたものを倉敷市の叔母が持ち帰り、球根を増やしたもの。
私もいつか名古屋の自宅に植えたいと思っていたところ、昨年の秋に叔母が球根を送ってくれたのでした。
生まれた土地の思い入れあるスイセンです。
数十年前、瀬戸内海を見下ろす山の畑、あたり一面に咲き誇っていたスイセンの群落。
ある年、祖母と母は、花市場に出荷することを思いついた。
試しに少量のスイセンを束ね、花市場に持って行ってみると、その品質の高さを褒めそやされ、どんどん出してほしいと言われた。
祖母と母は張りきった。
スイセンのむせるような香りにつつまれながら、鎌で刈っては10本単位で束ね、それをさらに10束単位にして100本の包みを作る。
そうやって、何百本ものスイセンは、日々母のスーパーカブの荷台にくくりつけられ、花市場まで運ばれたのだった。
食卓の話題も、母と祖母のスイセン出荷のあれこれの話で弾む。
明らかに他のどの農作業よりも楽しんでいる様子だった。
そんなわけで、子供のときから親しんだ花、スイセン。
笠岡から倉敷、そして名古屋へと旅したスイセン、これからは我が家の庭でも毎年楽しめそうです。
ちなみに秋に一緒に植えたチューリップとグラジオラスの球根も、次々と芽を出し成長している。
発芽率90パーセント以上!
私はグリーンフィンガーに違いない(笑)
現在、山の畑は、ほんとの山になってしまった。
かつて何軒もの村の方たちが畑をされていたが、高齢化でできなくなり、今では樹木に覆われ畑の痕跡もないくらいだろうと思う。
うっかり入ろうものなら、イノシシや猿に出くわすらしい。
あの、ほのぼのとした段々畑の景色も、かつての姿を知る人の心の中にのみある。