初めて軽井沢に行きました。
空に向かってふわっと抜けるような、開放感ある街の佇まい。
和と洋、動と静、暮らしと観光、新と旧、人の手による自然と太古からの自然……
それらが大らかに許容しあっている潔さ。
通りすがりの旅人である私をも、たちまち包みこむ懐の深さがあった。
さて、名古屋からは列車で片道4時間。
「特急しなの」と「新幹線あさま」を乗り継いで行った。
時間も限られるので、移動の旅にならないよう、行先は3か所ほどにとどめる。
まず向かったのは白糸の滝。
バスで向かう途中、ミズナラやハルニレが生い茂る壮大な森に圧倒された。
夕方、旧軽井沢通りあたりを散策。
にぎやかな表通りを一本入れば、昔からのひっそりとした通り、地元の方の静かな生活がある。
こういうところ、あてもなく歩くの好き。
次の日、ホテルの朝食前に歩いて雲場池へ。
周りの遊歩道をゆっくり歩いて回る。
カモやカイツブリが遊び、鏡のような水面に紅葉が映る。
次の日は、かねてからの念願、軽井沢千住博美術館へ。
駅から循環バスに乗って40分、なんと乗車料金は100円!
木立の中に奥ゆかしく佇む建物。
外光が降りそそぐ開放感あふれる館内、床は土地の起伏をそのまま生かしゆるやかに傾斜していて、自然の中を散歩しているよう。
他の美術館と違って、足腰が疲れないことに気づく。
新作「浅間山」が公開されていた。
千住博さんの作品を伝える言葉が私にはみつからない。
一枚の絵が放つものの底知れなさに、ただ驚かされる。
楽しいことはあっという間に終わり、帰りの列車の中。
軽井沢駅の売店で、井筒ワインとこの地のチーズを手に入れることは忘れなかった。
それはさておき、時々はいつもと違う場所に身をおいて、新しい体験をしてみることは大切だなと思う。
自分についてハッと気づくこともあったりして、ちょっとした旅もなかなかいいものです。