出来たてプリンです。
パック牛乳の賞味期限がせまったときに ときたま作るおやつ。
卵、牛乳、砂糖のみのシンプルな材料、そして洗い物も少ないのが、ぐうたらな私には助かる。
子供のころ、他家でいただくおやつはさまざまだった。
叔母の家では、コップで蒸したホカホカのカスタードプリンと揚げたてのクッキーが定番だった。
クッキーは子供たちに好きな形を作らせてくれ、それを次々と揚げながら食べる体験型おやつ。
幼なじみの家では、人参や青菜入りのホットケーキを4歳上のお姉ちゃんがよく作ってくれた。
お母さんの健康志向の強さがおやつにも反映されている。
ある日のおやつはめずらしくインスタントラーメンだったが、スープの表面がすきまなく刻んだニラで覆いつくされていて驚愕……
イチゴ農家の友達の家のおやつは夢のよう。
出荷できない変形イチゴが食べ放題!!
子供は何でも遊びにしてしまう。
広い作業場に即席のジャンプ台を作り、ジャンプしてはポーズを決め、ご褒美に大きなイチゴをほおばる。
ジャンプ、ポーズ、いちごパクッ、 ジャンプ、ポーズ、いちごパクッ その単純な遊びが楽しくて仕方なかった。
またある友達の家では、お母さんオリジナルの巻きずしのようなおにぎり。
酢飯ではなく塩味のごはん、具はしょうゆ味のおかか。
遊んでお腹を空かせた子供には本当にごちそうだった。
ところで、うちの家では、どんなおやつを出していたんだろう。
何故か思いだせないが、手作りおやつではなかった。
多分かっぱえびせんとか味覚糖のキャンディ「純露」とか市販のおやつだったと思う。
まれにハウスプリンエルとか、シャービックとかはあったかも知れない。
それにしても昭和のおやつは、それぞれの家の色合いがある、素朴なおいしさだった。
小さなお客のための、心づくしのおもてなし。
あたりまえのように頂いていたけれど、ありがたいことだったな…と今思う。