庭に咲いていたバラ。
この残暑の中で花びらは反り返り、葉は虫食いだらけ。
けれど、この野性味あふれる強さに魅かれます。
買ってきたお花は、室内でも暑さにやられてすぐにダメになってしまいますが、炎天下にさらされて咲いたお花はさすがに強い。
切り花にして数日を経てなお、凛としたパワーを放っています。
ふとした瞬間に、視線を感じて目をやると、このバラがじっとこちらを見ている。
そんなとき、バラと私の間に、何かしら言葉のない交流が生まれているような気がするのです。
「星の王子さま」に出てくる王子さまとバラのように、普通に会話できたら楽しいだろうけれど、それはそれで気が抜けないかも。
やっぱりこれくらいの距離感がいいかな(笑)
生物の進化でみると、植物も動物も40億年前は共通祖先だったといいます。
生命の誕生は、まず細菌などの原核生物が現れ、そこから分かれて、核をもつ真核生物が現れたということです。
私たち人間も、動物も植物もすべて真核生物に分類されるというわけですね。
人が花に魅かれたり、癒されたりするのは、このような原初的なつながりがあるからなのではないか。
大きくとらえると、「植物と人って親戚みたいなもんかな・・」と大雑把な私は思います。
とてもつらい時、お花に助けられたと話してくれた人がいました。
その方は、生きていることがとてもしんどかったある時期、仕事帰りに毎日、一輪のバラを買ったのだそうです。
そしてそのバラをただじーっと眺めながら、時間を過ごした。
その時はそうすることしか思いつかなかったのだとか。
私は動物にも植物にも普通に声を掛けます。
剪定ををするとき、また枯れたお花を切るとき、「こめんね、今までありがとね」みたいな言葉を自然とつぶやいている。
人と植物ってもっと仲良くできるのではないかな・・・