名古屋、23センチの積雪・・。
朝から家族の通学は・・通勤は・・とあたふたと騒ぎました。
そうして送り出して一息ついた時、昔、旅先で出会った人の
ことを、ふと思い出しました。
25年も前の夏、佐渡島に一人で旅していた時のこと、小さな宿の80歳くらいのご主人がおっしゃったのです。
「佐渡は冬が一番いいねえ。」
淡々とつぶやくご主人のたたずまいには、生まれ育った佐渡の自然への畏敬、愛、そこに生きる誇りがありました。
北国の孤島である佐渡がその本領を現す冬。
温暖な土地で育った私は、その厳しさ、美しさに思いを馳せると同時に、「冬がいい」とごく自然に
口にする一人の老人に、深い感動を覚えたのです。
自然の厳しさにあらがうのでなく、自らもその一部であるかのように生きている人々・・。
その姿もまた崇高です。