はぐれくん

素敵な絵本に出会いました。

 

はぐれくん、おおきなマルにであう

シェル・シルヴァスタイン 村上春樹訳

 

この上なくシンプルな絵と文。

それでいて、ココロにずしんと語りかけてくる。

 

はぐれくんは私。

自分を重ねながら、たちまち引き込まれました。

 

はぐれくんのそばにやってくる、それぞれ勝手ないろんなものたち。

自分の人生にも、今の社会にも、思いあたることばかり。

 

はぐれくんといろんなものたち。

どちらも自分には足りないものがあると思っていて、ピッタリな他のものでうめようとするが、うまくいかない。

 

そしてはぐれくんはある日、ちょっと見かけの違うものと出会う。

それはおおきなマル。

おおきなマルは、はぐれくんに大切なことを示唆してくれる。

そこからのはぐれくん、すごいです。

 

読み返すたびに、新しい発見があります。

この一冊で、人生の一番大切なことがすべて語られているほどの、哲学的な絵本だと思います。

100人の読者がいたら、100のはぐれくんと100のおはなしの世界がひろがることでしょう。

 

誕生日に娘が送ってくれた絵本です。

娘もはまり、お互いに思ったことを話し合うのもいい時間でした。

 

村上春樹さんの訳がほのぼのと温かく、とてもよいです。

本屋さんでみかけたら、ぜひぜひページをめくってみてください。

 

新年

年が明けましたね。

ぽかぽかと暖かい日が多く、過ごしやすい新年です。

 

今年もどうぞよろしくおねがいいたします。

 

今年はどんな一年になるのでしょう。

個人的には、特に今年、真っ白な巻物が目の前に広がっている感じです。

どう転ぶかわからないことが多々あるので。

どんな絵が描かれ、そして自らも描くのか、楽しみながら潔く、歩んでいけたらいいなと思います。

 

人との出会い、ものとの出会い、日々起こることの多くは予測不能です。

自分の思惑とは関係なく、日々刻刻と目の前に現れる。

たまたま目に飛び込んでくるTVの映像、道ですれ違う人、スーパーで何気なく手に取った食材…

人はあらゆる偶然と共に、その影響を取り入れながら、生きています。

すべては自分と周りの大きな世界との重なり合いの中で、刻々と変化しながら進んでいる。

 

人は、基本的に先のことを知らない。

私はそこに不安ではなく、むしろ光を感じます。

 

そんな世界に生きるものとして、目に見えないもの、自分ではコントロールできないものにも、開かれた感性を持っていたいなあと思います。

センス・オブ・ワンダー(神秘さや不思議さに目をみはる感性)ですね。

 

 

私:「ネズミを称賛するネコ」を描いた…

娘:「獲物をみつけて喜ぶネコ」にしかみえない…

いとこ:私にも「獲物をみつけて喜ぶネコ」にしかみえない…